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ウツギ(アジサイ科)[空木] |
名は生長した幹が中空であることからついた。旧暦4月の卯月に咲くことからついた別名のウノハナ(卯の花)の名で親しまれ、生け垣としてよく植えられる。 日当たりのよい山野の林縁や河原などに生える落葉低木で、幹は下部からよく分枝して株立状になり高さ1-3mになる。枝は枝垂れるように長く伸びる。樹皮は灰褐色で縦に剥がれる。枝は暗褐色で若枝は赤褐色。若枝、葉、葉柄、花序、花弁の外側、萼に星状毛が生える。 葉は質が厚くきれいに対生し、羽状複葉に見えることがある。長さ4-9cm、幅2.5-3.5cmの楕円形~卵状披針形で縁に細かい鋸歯がある。基部は円形~くさび形で先は長くとがる。表面に4-6個の枝のある星状毛があってざらつき、裏面は10-13個の枝のある星状毛が密生する。葉柄は長さ2-5mmで密に星状毛が生える。 枝先に円錐花序を出し,長さ2-4mmの花柄の先に直径1-1.5cmで白色の花を多数下向きにつける。萼筒は長さ2.5mmの短い鐘形で10-14個の枝のある星状毛が生える。萼片は卵状3角形で5個。花弁は長さ1-1.2cmの長楕円形で5個あり、外側に星状毛を散生する。雄しべは10個で花弁よりやや短く、花糸の両側には翼があり上部は広がって先は2歯が突き出る。花柱は3-4個で花弁とほぼ同長。 果実は灰黒色で直径4-6mmの椀形の蒴果で、先端はややくぼみ花柱が残存する。熟すと3-4裂して種子を多数出す。種子は長さ2.5mmの長楕円形で褐色、片方に膜質の翼がある。 八重咲きの品種も見られ、シロバナヤエウツギという。ウツギの八重咲き品種のうち、花弁の外側だけが紅紫色を帯びるものをサラサウツギという。紛らわしいことに、シロバナウツギとよばれているものはウツギとは遠縁のタニウツギ(スイカズラ科)の白花品種のことを指す。ウツギの名をもつ植物は、アジサイ科とスイカズラ科のほか、バラ科、ゴマノハグサ科、ドクウツギ科、ミツバウツギ科、アオイ科にもある。 慣れないとヒメウツギと迷うが、ヒメウツギは花期が半月~1か月早いこと、花弁がウツギより広く開くことなどで見分ける。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
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