カンスゲ(カヤツリグサ科)[寒菅] |
葉が冬も枯れずに緑色であることからこの名がある。 山地の谷沿いの林内に生える常緑の多年草。根茎は短く、密に叢生して大株となる。匐枝は出さない。 葉は多数が根生し、幅0.5-1.5cmの線形で先は鋭くとがり、濃緑色でやや光沢があり、厚くて極めて硬く、上面に多数の等しい細脈があり、縁は逆刺があってざらつく。基部の鞘は光沢のない黒紫色。 有花茎は腋生し、高さ20-40cmになる。頂小穂は雄性で長さ2-4cmで赤褐色を帯び、多数の葯が伸びて花粉を散らす。側小穂は雌性で3-5個、長さ1.5-3.5cm、幅約6mmの短い円柱形で直立し、密に果胞をつけ、下方の苞は長い鞘と短い葉身とがある。雌鱗片は長さ4mmの卵形で果胞とほぼ同長で褐色を帯び、先は鋭くとがる。 果胞は長さ3-3.5mmの広卵形で無毛、淡黄緑色で脈があり、急にやや長い嘴になり口部は鋭い2歯となる。熟すと開出する。果実は3稜があり、長さ約2mmで頂部は直立した嘴となる。柱頭は3岐。 屋久島に生えるヤクシマカンスゲは、葉は幅3-8mmで小穂の果胞はややまばらにつく。ミヤマカンスゲは葉はやや軟らかく、縁は滑らかであまりざらつかない。雌花穂は幅約2mmと細い。東北地方に多いオクノカンスゲは、匐枝を出し、葉の断面はM字形。ヒメカンスゲは葉は幅2-6mmで光沢がなく、果胞に短毛がある。 果期:3-5月 分布:本(宮城県以南の主に太平洋側)・四・九 撮影:2019.3.20 東京都八王子市 |
雄性の頂小穂と雌性の側小穂。 2019.3.20 東京都八王子市 |
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