チョウノスケソウ

チョウノスケソウ(バラ科)[長之助草]

名は、ロシアの植物学者カール・ヨハン・マクシモビッチが日本の植物を調べるため岩手県紫波町出身の須川長之助に採集を依頼し、その中の未見植物の一つに彼の名を冠したことによる。チングルマの花弁を増やしたような印象があり、高山帯に生えるので別名ミヤマチングルマという。

高山帯の岩場や崩壊地などにまれに生える小低木。根は岩の隙間に入り、枝は地をはいよく分枝してマット状に広がる。新葉が展開しても枯れた古い葉が落ちずに残っている。
葉は互生し革質で、長さ1-2.5cm、幅0.5-1.5cmの卵状楕円形で鋸歯の先も葉身の先も円い。表面は深緑色で6-8対の側脈に沿ってへこみ、縁が裏面にやや巻き込む。あたかもぴかぴかの小判のように見え、花のない時期でも葉を見ればそれと分かる。裏面に綿毛が密生して純白。葉柄は長さ1-2.5cmで短い軟毛がある。
枝先に直径2-3cmの白色~黄白色の花が1個つく。花柄は長さ3-10cmで直立する。花弁は長さ1-1.5cm、幅5-7mmの楕円形でふつう8個、ときに7個または9個ある。雄しべと雌しべは長さ5-6mmで多数ある。萼は短い軟毛が生え、萼片は花弁と同数で披針形。
果実は痩果が集まった集合果。痩果は長さ2-3cmに伸びて羽毛状になった花柱がよじれてつき、のちにほぐれる。種子は1個。
花期:6-7月
分布:北・本(中部地方)
撮影:2001.7.21 長野県茅野市
チョウノスケソウの花
花弁はふつう8個、ときに7個または9個。 2001.7.21 長野県茅野市

チョウノスケソウの葉
葉はしわしわピカピカの小判形。 2001.7.20 長野県茅野市

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