ツルソバ(タデ科)[蔓蕎麦] |
名は、花がソバに似ているが、つる状になることからついたもの。 主に海岸の草地や林縁に生える多年草。茎に刺はなく、よく分枝してつる状に伸び、または斜上して長さ1-2mになる。神奈川県では観音崎公園などに群落があり、勢いがよい。年々増えているといい、帰化植物に見えるがれっきとした在来種。 葉は互生し、両面無毛で厚く光沢があり、長さ5-10cm、幅3-6cmの卵形~卵状長楕円形。先はとがり、基部は切形~円形でときに心形となる。托葉鞘は長さ1-1.5cmの筒形で膜質、先は斜めに切れ基部に下向きの小さな刺がある。 枝先に花が頭状に集まった密な総状花序をつくり、花被は長さ3-4mm、淡黄白色または淡紅色で5裂し、長さ3-4mm。雄しべは8個で花被より短い。花柱は先が3裂する。花柄には腺毛がある。暖地では春から晩秋まで咲いているというが、神奈川県では9-10月頃から咲き始める。 果実は直径約3mmの3稜形の痩果で、残存して肥厚した暗紫黒色の多汁な花被が痩果を包む。 タニソバは葉柄に翼がある。名前が似ている帰化植物のヒメツルソバは別属で姿も似ず、葉の両面に短毛がある。 花期:5-11月 分布:本(関東地方南部以西)・四・九・沖 撮影:2016.10.26 神奈川県横須賀市 |
茎は2mほどに伸び、柵も乗り越えて茂る。 2019.10.10 神奈川県三浦市 花被は5裂、花柱は3裂する。 2016.10.29 神奈川県横須賀市 葉の表面(左)と裏面(右)。両面無毛で基部は切形、先は鋭くとがる。 2019.10.10 神奈川県三浦市 托葉鞘は筒形で膜質、先は斜めに切れ基部に下向きの小さな刺がある。 2019.10.10 神奈川県三浦市 果実は紫黒色の花被が痩果を包んだもので、中の痩果は3稜形。 2016.10.29 神奈川県横須賀市 |
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