ツマトリソウ

ツマトリソウ(サクラソウ科)[端取草・褄取草]

名は、葉の色が葉先に近づくにつれてぼかしたように濃くなることを着物の褄取りにたとえたとも、葉の縁に平行に走る細脈を褄取りにたとえたとも、また花の裂片の先がやや赤みを差すことをたとえたともいわれる。ただ、花の裂片の先が赤くつまどられているものはまれにしか見ることはない。

山地帯上部~高山帯の草地や林縁に生え、茎は分枝せずに直立し、高さ5-25cmになる無毛の多年草。根茎は白色の糸状で長く地中をはう。
葉は茎の上部に5-10個がやや輪生状に互生し、質が薄い長さ2-7cm、幅1-2.5cmの広倒披針形~倒卵形で全縁、先はとがり基部はくさび形。茎の下部にも小さな葉を互生する。
上部の葉腋から長さ2-3cmの細い花柄をふつう1個、ときに2個出し、上向きに直径1.5-2cmの白色の花を1個ずつつける。花冠は7深裂(ときに6裂、8裂)し、雄しべと萼片も同数ある。7の数の花は非常に珍しい。花冠の裂片は長楕円形で先はとがり、やや重なりあう。先端の縁にまれに微紅色のつまどりがある。
果実は直径2.5-3mmの球形の蒴果で、熟すと縦に裂け種子を飛ばす。

湿地に生え、葉の先の円いものをコツマトリソウというが特に区別しない見解もある。
花期:6-8月
分布:北・本(中部地方以北)・四
撮影:1977.7 新潟県湯沢町
ツマトリソウ-2
山地帯上部~高山帯の草地や林縁に生える。 2015.7.5 岩手県八幡平市

ツマトリソウの花
7数性の花をつける植物は珍しい。 2018.7.2 長野県小谷村

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