トウオオバコ(オオバコ科)[唐大葉子] |
牧野富太郎によれば、異国風なので「唐」の字を当てたものとされる。 日当たりのよい海岸の礫地や草地に生える多年草で、日本産のオオバコでは最大。花茎はオオバコに比べると明らかに長く、長さ0.4-1mになる。群生せずにぽつりぽつりと単独で生えていることが多い。 葉は10-17個が根生し、厚めの革質で無毛、平行に走る7-8本の脈がある。長さ10-30cm、幅5-18cmの広卵形で縁に不規則な波状の歯牙があり、先は鈍い。基部は次第に狭まって長さ3-20cmの柄に続く。 夏に長い花茎を1-5個伸ばし、多数の白色の花を穂状花序につけ、下から咲いていく。花序は花茎の1/2~3/4を占める。花は苞の腋ごとに1個ずつつき、苞は卵形で先はややとがる。萼は膜質、筒状で4裂する。萼片は長さ2mmの楕円形で先が円く、縁は白色で乾膜質。花冠は筒形で先は4裂して開出する。花は雌性先熟であとから雄しべが飛び出して花粉を散らす。雄しべは4個で花冠の外に長く突き出る。葯は2室で花糸に丁字着する。子房は2室。 果実はほぼ球形の蒴果で上半部は半円形、萼の約2倍長で上下に2裂する蓋果。種子は1果内に8-12個あり、長さ1mmの長楕円形で濃褐色、やや稜角があり、腹面は平たい。 北海道と青森県の海岸には葉が厚く光沢があるものが生え、テリハオオバコというがYListではトウオオバコと区別していない。 オオバコは小さく、種子は1果内に4-6個。海岸にはほかにエゾオオバコが生える。 花期:6-8月 分布:(北・)本・四・九 撮影:2001.9.22 青森県三厩村 |
海岸の礫地に多い。 2016.7.29 神奈川県三浦市 雄しべは花冠の外に長く突き出る。 2016.7.29 神奈川県三浦市 |
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