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ニリンソウ(キンポウゲ科)[二輪草] |
名は1本の茎に通常2個の花をつけることによるが、1個または3個のこともある。 低地~山地の湿った明るい林内や林縁などに群生する変異の多い多年草で、6月には地上から姿を消す。 根茎は多肉質で短く、まばらにひげ根を出し、地中を横にはうか斜めに伸びる。茎は高さ15-25cmでまばらに毛がある。 根生葉は1-6個つき、15-25cmの長い柄があって3全裂し、側裂片はさらに2深裂する。各裂片はさらに切れ込む。表面には淡白色の斑点がある。花茎につく総苞葉は無柄で3個が輪生し、深い欠刻がある。 茎頂に花茎を1-3個立て、先端に直径1.5-2.5cmの白い花をつける。2輪が同時に咲くことは少ない。ときに裏面が僅かに紅色を帯びる。花弁はなく、花弁状の萼片は白色の楕円形でふつう5個だが6-8個のこともある。雄しべ、雌しべは多数。 果実は楕円形の痩果で白毛が密生する。雌しべは多数あるが結実するのは数個。子葉は1個。 有毒のものが多いキンポウゲ科の植物の中で、これはフクベラとよばれ、珍しく山菜として利用されることがある。しかし、プロトアネモニンというアルカロイドを含むので調理には注意が必要。 また、葉が猛毒のトリカブトと似ており、慣れないと間違えやすいので、あまり採取はお勧めできないが、どうしても食べてみたくなったときは、鎌でざっくりと採取するとトリカブトが紛れ込むおそれがあるので、必ず一本ずつ確認しながら手摘みする。トリカブトの葉柄は中実だがニリンソウの葉柄は中空なので、迷ったときはそこを確認すればよい。 先祖返りにより花が緑色を帯びたものをミドリニリンソウというが、変異の程度は多様。 萼片が表面まで淡紅色を帯びるものをウスベニニリンソウといい、これも濃いものから薄いものまでさまざま。 よく似たサンリンソウは小型で花は直径1-2cm。総苞葉に短柄がある。イチリンソウは1輪咲きで花の直径が4cmほどと大きく、総苞葉に長い柄がある。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
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