ムラサキヤシオツツジ

ムラサキヤシオツツジ(ツツジ科)[紫八入(染)躑躅]

ヤシオとは何回も染色液につけて濃く染めることをいい、名は紫色の染料に何回もつけたような色のツツジの意。別名ミヤマツツジという。

山地帯上部~亜高山帯の林縁や雪渓の縁など、湿り気の多いところに生える高さ1-3mの落葉低木。よく分枝して横に広がる。若枝に腺毛があるが後に無毛となる。
葉は枝先に輪生状に互生し、長さ5-11cm、幅3-6cmの倒卵形~広倒披針形で、質は硬く表面に微毛が散生し、裏面は淡緑色で主脈に沿って白い開出毛が密生し、さらに剛毛が散生する。縁に細かい鋸歯と腺毛があり、基部はくさび形で先端は腺となる。葉柄は長さ1-3mmで腺毛や長毛がある。
葉の展開前か展開と同時に濃紅紫色の花を小枝の先端に2-6個つける。花柄は長さ1-2cmで褐色の腺毛が密生する。花冠は直径3-4cmの広漏斗形で先は5深裂し、上の裂片の基部に濃色の斑点がある。雄しべは10個で上の5個は短くて基部に白毛が密生し、下の5個は長く無毛で花外に突き出る。子房には白い腺毛が密生する。
果実は球形の蒴果。
花期:4-6月
分布:北・本(近畿地方以北の主に日本海側)
撮影:2018.7.2 長野県小谷村
ムラサキヤシオツツジの花
広葉樹林内で咲いていた。 2006.6.3 秋田県鹿角市

ムラサキヤシオツツジの花冠
雄しべは10個。上の5個は短く、基部には毛が密生。下の5個は長く、無毛。 2006.6.3 秋田県鹿角市

ムラサキヤシオツツジの葉
葉は枝先に輪生状に互生する。 2018.7.2 長野県小谷村

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