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ムクノキ(アサ科)[椋の木] |
名は、老木になると樹皮が剥がれることから「剥く」の意、よく茂ることから「茂く(もく)の木」の意、木工用に用いられたことから「木工(むく)」の意など、諸説あるがはっきりしていない。別名ムクという。しばしばエノキと混同されたことからムクエノキの別名もある。 ムクノキ属は以前はニレ科に分類されていたが、APG分類体系ではエノキ属などとともにアサ科に移された。 丘陵地に生えるものだが、人家近くに植栽されたり、ムクドリやツグミなどが実を好んで食べ、種子を人家近くに散布するので人里にも普通に見られる。 日当たりのよい適湿なところに生える雌雄同株の落葉高木。幹は直立しよく分枝して高さ15-20m、直径1m、大きいものは高さ30m、直径4mにもなる。樹形は扇形で根元はしばしば板根状に広がる。樹皮は淡灰褐色で若木では平滑、皮目が浅い縦筋になって割れ、老木になると短冊状の薄片となって剥がれる。 葉は互生し、長さ4-10cm、幅2-6cmの卵状長楕円形で縁に鋭く角張った山形の鋸歯が規則正しく並び、基部は広いくさび形~円形、先は尾状に長くとがる。質はやや薄く、表面は濃緑色でやや照りがあり裏面は緑色、両面とも伏毛があって著しくざらつく。葉脈は6-10対で鋸歯の先に達し、途中で分岐する。最下の対の側脈は主脈とともによく目立つ。葉柄は長さ0.6-1cm。托葉は長さ1cmほどの線形で早く落ちる。 葉の展開と同時に淡緑色の小さな花を開く。雄花は本年枝の下部から出る集散花序に多数つき、萼は5裂し、花被片は5個、長さ約2mmの楕円形。雄しべは5個で花糸は花被片より僅かに短い。雌花は上部の葉腋に1-2個つくが目立たない。花被片は5個、長さ2-3mmの披針形。花柱は2裂し、柱頭に白毛が密生する。 果実は直径0.7-1.2cmの球形の核果で9-10月に紫黒色に熟す。果柄は長さ5-6mm。果肉は甘みがあって食べられる。 葉はざらつくので、かつては漆器の木地や鼈甲の研磨に用いた。材は器具、建築、船舶、薪炭に用いられた。街路樹や公園樹としても植栽される。 エノキは葉が似ているが、葉の先は長く伸びない。ケヤキも似ているが、鋸歯の下辺が円くカーブして先がとがることで区別できる。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
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