キクザキイチゲ(キンポウゲ科)[菊咲一華] |
名は、花がキクに似ていて1個だけ花をつけることによる。別名キクザキイチリンソウという。 雪解け後の春の林床でいち早く芽吹いて可憐な花を咲かせ、はかなく散って地上から姿を消す。カタクリやアズマイチゲとともにスプリング・エフェメラル(春のはかない命)の代表。 山地の落葉樹林下に生え、高さ10-20cmになる多年草。根茎は長さ2-10cmで横にはう。 根生葉は長い柄があり、2-3回3出複葉。茎につく総苞葉は短い柄があり3個輪生、3出複葉で小葉は3-5深裂、縁に鋸歯がある。総苞葉の柄の基部は鞘状に広がる。 茎頂に直径3-4cmの花を1個つける。花柄は有毛。花弁状の萼片は線状長楕円形で8-13個あり、色はふつう白色と青紫色だが白色のものが多い。花弁はなく、雄しべ、雌しべとも多数ある。葯は白色。花は日が差すと開き、陰ると閉じる。 果実は卵形の痩果で白毛が密生し多数が集合する。 日本海側に咲くオオミスミソウは、花色の変化が多く、収集するマニアがいると聞くが、これを見るとその気持ちも少し分かるような気もする。しかし、やはり野草は野で見るのが一番美しい。 よく似たアズマイチゲは、総苞葉の小葉が浅く切れ込むのみで円く、少し垂れ下がる。総苞葉の柄の基部は鞘状に広がらない。 花期:3-5月 分布:北・本(近畿地方以北) 撮影:2009.4.12 岩手県久慈市 |
青色のもの。北国では普通にある。 2004.4.11 青森市 青みの特に強いもの。 2002.4.14 青森市 鮮やかな紫色の花をつけるものもある。総苞葉も紫色を強く帯びている。 1999.5.23 岩手県北上市 一面に咲くキクザキイチゲ。北日本ではアズマイチゲよりもはるかに多い。 2010.5.15 岩手県二戸市 黄白色のもの。 2006.4.15 岩手県久慈市 花茎には縮れた毛がある。 2022.3.15 神奈川県厚木市 根生葉は長い柄があり、2-3回3出複葉。 2022.3.15 神奈川県厚木市 総苞葉の柄の基部は鞘状に広がる。 |
アズマイチゲに戻る ヤマエンゴサクに戻る ヒメイチゲに戻る イチリンソウに戻る ユキワリイチゲに戻る |
検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。 |