カザグルマ

カザグルマ(キンポウゲ科)[風車]

名は、花を玩具の風車にたとえたもの。

里山の日当たりのよい湿った林縁や湿地に生え、他の樹木などに絡みついて登るつる性の多年草または半低木で、茎は初め軟毛を密生し褐色で木質化し、細く長く伸びる。
宅地開発や道路新設などの影響をまともに受け、さらに野生種とは思えないほど大輪で美しくよく目立つことから、盗掘被害にもあってすっかり珍しい植物となってしまった。また、人里に近いやぶに生えるので花が咲いていないと区別がつかず、きれいに草刈りされる憂き目にあう。だいぶ前に宮城県で野生品を見たことが一度あったが、カメラを持ち歩いてなくて、写真に収めることができなかった。あのときの株は今も健在なのだろうかと時々思い出す。
環境省レッドリストではかつては絶滅危惧Ⅱ類(VU)であったが、今は準絶滅危惧(NT)にランクダウンされている。あるところにはまだ結構あるということなのだろうか。神奈川県では何か所か細々と自生しているらしく、横浜市に自生するものは、保護のため管理の行き届いた数か所に株分け移植もされているという。上の画像はそのうちの一つ。

本年枝に1-3対の葉を十字対生し、葉は長い葉柄があり3-5個の小葉からなる羽状複葉。小葉は長さ2-8cmの卵形で全縁、基部は円形~浅い心形で先はとがり、ときに3裂する。
本年枝の枝先に直径7-12cmの大きな花を1個上向きにつける。花柄にテッセンのような苞はない。花は平開し、花弁状の萼片はふつう8個あり、淡紫色または白色、長さ4-7cmの楕円形~狭倒卵形で先は急にとがる。花弁はない。雄しべは多数で花糸は扁平で無毛、葯は紫色。雌しべも多数で花柱は長い。
果実は長さ5mmの広卵形の痩果。宿存花柱は長さ3-4cmで強く曲がり、黄褐色の長毛を密生する。

古くから栽培され、色変わりや八重咲きなど園芸品種も多い。中国原産のテッセンは同様によく栽培されて似ているが、花は直径5-8cmと小さく、萼片は6個で花柄に1対の葉状の苞がある。属名であるクレマチスとよばれて栽培されているものは、この2種が原種となっているものが多い。
花期:5-6月
分布:本・四・九(北部)
撮影:2018.5.1 横浜市南区
カザグルマ-2
つるは他の樹木などに絡みついて登る。 2023.5.11 横浜市南区

カザグルマの花
萼片はふつう8個。 2021.5.12 東京都八王子市

カザグルマの花-2
雄しべは多数あって葯は紫色。雌しべも多数あり花柱は長い。 2023.5.11 横浜市南区

カザグルマの葉
小葉は卵形で全縁、基部は円形~浅い心形。 2023.5.11 横浜市南区


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