カスミザクラ

カスミザクラ(バラ科)[霞桜]

名は花の咲く様子を霞にたとえたもの。ヤマザクラが花柄や葉柄などが無毛であるのに対し、カスミザクラは有毛であることが多いので別名ケヤマザクラという。各部の毛の多少は変化が多い。

ヤマザクラより標高の高い山地に生え、高さ10-25mになる落葉高木で、普通の桜が咲き終わった後に咲く。北日本や日本海側に多い。樹皮は灰褐色~紫褐色で横長の皮目が目立つ。若枝は黄褐色で無毛。
葉は互生し、長さ8-12cm、幅4-6cmの倒卵形~倒卵状楕円形で基部は円形~くさび形、先は尾状に伸びて鋭くとがる。縁に単鋸歯と重鋸歯が混在し、鋸歯の先は鋭くとがる。葉の展開時は薄茶色だがまもなく緑色になる。両面に軟毛が散生し、裏面は淡緑色でやや光沢がある。側脈は6-9対。葉柄は長さ1.5-2cm、短毛があって僅かに赤みを帯び、上部に1対の蜜腺がある。
葉の展開と同時に、前年枝の葉腋に直径2.5-3.5cmの花が1-4個やや上向きな散形状または散房状に咲く。開花はヤマザクラより1-2週間ほど遅い。花序の柄は長さ約1cm、花柄は長さ1.5-2.5cmでどちらも開出毛がある。苞は緑色で鋸歯がある。花は白色または僅かに紅色を帯びる。花弁は5個、長さ1.2-2cmの広倒卵形~広楕円形で先端に切れ込みがある。萼筒は長さ5-6mmの筒状長鐘形で、萼裂片は卵状披針形で全縁。雄しべは35-40個、雌しべは1個。花糸、花柱、子房は無毛。
果実は直径0.8-1cmの球形の核果で6月頃紫黒色に熟す。果実には苦みがある。核は扁平な楕円形で表面は平滑。

材は建築材などに利用され、樹皮は桜皮細工や薬用に用いられる。
萼筒や花柄が無毛で葉もほとんど無毛なものをアサギリザクラというが、変異の範囲内とする見解もある。
マメザクラはほとんどの花が下向きに咲く。ヤマザクラやオオヤマザクラは葉柄や花柄が無毛。オオシマザクラは萼裂片に鋸歯があり、葉の鋸歯は先が芒状になる。
花期:4-5月
分布:北・本・四
撮影:1999.5.12 青森市
カスミザクラ-2
花は普通の桜が咲き終わった後に咲く。 2022.4.18 神奈川県大和市

カスミザクラ-3
葉の展開と同時に花が咲く。 2022.4.18 神奈川県大和市

カスミザクラ-4
花柄は開出毛がある。苞は緑色で鋸歯がある。 2022.4.18 神奈川県大和市

カスミザクラの葉
葉先は尾状に伸びて鋭くとがる。縁に単鋸歯と重鋸歯が混在し、鋸歯の先は鋭くとがる。 2022.4.18 神奈川県大和市

カスミザクラの葉-2
葉柄は短毛があって僅かに赤みを帯び、上部に1対の蜜腺がある。 2022.4.18 神奈川県大和市

カスミザクラの果実
果実はこのあと紫黒色に熟す。 2022.5.25 神奈川県大和市

カスミザクラの樹皮
樹皮は灰褐色~紫褐色で横長の皮目が目立つ。 2022.4.18 神奈川県大和市

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