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アオツヅラフジ(ツヅラフジ科)[青葛藤] |
名のアオは若枝が緑色であることから。ツヅラはつる植物で作った籠のこと。別名カミエビという。別名の「エビ」はブドウ科植物の古称。カミは「神」「上」の意とする説もあるが、深津正は、黴(かび)の転であり、実がまとう白い粉をカビに見立てたものだろうという。(八坂書房「植物和名の語源」) 山野の林縁や道端に生えるつる性で雌雄異株の落葉木本。主画像の撮影地である八戸市では海岸の岩場の上をはって伸びていた。 つる(茎)や葉の両面、葉柄に淡黄褐色の短毛があり、他の植物にZ巻き(上から見て反時計回り)に絡みついてよじ登る。本年枝は緑色で古くなると褐色になる。 葉は互生し質は厚く、長さ3-12cm、幅2-10cmの広卵形~3角状卵形でしばしば3浅裂する。葉の形は多様な変化がある。縁は全縁で基部は心形~円形、先は円いがややとがるものも多い。葉柄は長さ1-3cm。 葉腋と枝の先端に小型の円錐花序を出し、黄白色の小さな花をつける。花弁と萼片は6個で花弁の先は2裂して裂片の先はとがる。萼片のうち外側の3個は小さい。雄花は雄しべが6個ある。雌花は6個の柱頭と6個の仮雄しべがある。 果実は直径6-8mmの球形の核果で、9-11月に黒色に熟すが、白粉を帯びて藍色に見える。核は褐色、渦巻き形で直径5mmほど。 つるは丈夫なので籠づくりに使われる。薬用にはつると根を秋に採取して日干ししたものを煎服する。生薬名を木防已(もくぼうい)といって利尿、神経痛などに利用する。ただし全草にトリロビンなどのアルカロイドを含むので、大量に服用すると呼吸麻痺や心臓麻痺を起こす。 別属のツヅラフジ(オオツヅラフジ)はつるや葉は無毛。アオツヅラフジより葉が大きく、雄花序は長さ8-20cmの円錐状で大きい。雄しべは9-12個。核果は直径5mmほどの扁球形。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
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